アランパカフェ(AlanPa-Cafe)~Daily Treasure

焚火とコーヒーで語る、人生折り返し男の独りごと

☆はじまりは、コーヒーから

初めてブラックコーヒーを口にしたのは、14歳だった。

 

その日、バスケ部の練習試合帰りに駅裏のカレー屋さんで友人3人とランチをとること

になった。カウンター席しかない店内に横並びで座り、4人全員が日替わりランチを注

文すると、

「食後にコーヒーかシャーベットが付きますが、どちらになさいますか?」

と店員のお姉さんが微笑みながら聞いてきた。一緒にいた友人たちと何故か緊張しなが

ら無言で交互に目を合わせたあと、みんな視線を一番端の席にいたT君に移した。T君は

あわてて

「ア、アイスクリームで」

と言った。内心

『アイスクリーム?!シャーベットだろ?』

と思いながらも指摘せず、隣に座っていた私は反射的に                           

「オレはコーヒーで....」

と答えてしまった。ちょっと驚いた友人2人も続けざまに

「おれもコーヒーで」「おれも同じ!」

と言った。

 

ランチのカレーをガツガツ食べていると、カウンターの中で店員のお姉さんが理科の実

験道具みたいなもので作業し始めた。アルコールランプで熱せられた透明な水が吸い上

げられ、褐色に変化するのを

『すげぇ!コーヒーってこうやって作るのか、おもしろっ』

と出来上がるまで、カレーを食べながら横目でジッと見ていた。

カレーで腹を満たし終え、隣で旨そうにシャーベットを食べるT君を見ながら

『オレもシャーベットにすれば良かったかなぁ?』

とちょっぴり後悔していると、いよいよコーヒーが目の前に運ばれてきた。

さっき目の前で作られた褐色のコーヒーは、小さなカップの中で漆黒に色を変え、立ち

上る湯気とともに何とも表現できない不思議な薫りを放っていた。一緒にコーヒーを頼

んだH君とK君は砂糖とミルクを入れ、かき混ぜ始めた。それを見ていた私は一瞬にして

ある出来事を想い出し、おもむろに砂糖とミルクをソーサーから取り去って

『どうだ!』

と言わんばかりに、漆黒のコーヒーをそのまま口に流し込んだ....

 

小学校の頃、母方の叔父が夏休みになると時々近所の喫茶店に連れて行ってくれた。決まって私はクリームソーダを、叔父はホットコーヒーを注文した。コーヒーには砂糖とミルク(それと豆菓子)が付いてくるのに、叔父はいつもそのまま飲んだ。

「どうして何にも入れないの?それで美味しいの?味、ある?」

「おぉ、旨いぞ。薫りも味がする。」

「かおりのあじ???!」

 

...『苦っ!....んっ?!』

一瞬だけ苦いと感じたあと、喉から鼻に甘い薫りがスーッと広がっていった。

『コレだっ!かおりのあじ!!』

その後、カフェでバイトをする17歳になるまでブラックコーヒーを口にすることは無か

ったが、毎日欠かさずコーヒーを飲む今となっても、あの

『かおりのあじ

は私の心から離れない(きっと、この先もずっと)。

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 ※大好きなコーヒーを片手に【AlanPaカフェ】はじめました。

 とりあえずコーヒーの話から始めましたが、これからいろんな話を載せていきます。

 breaktimeなどに気軽にお立ち寄りください。

 (次回は大好きな『キャンプ』関連の話を書きたいと思ってます)

 

 

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